【“メタボ”と昇進の相関関係】

今、世の中の健康志向は、こぞって“メタボブーム”へと走っている。男性 85cm、女性90cmというウエストサイズ(腹囲)に身に覚えのある紳士淑 女は、いくぼくかの後ろめたさを感じる今日この頃だ。
これまでは健康診断でコレステロールや血糖の数値を指摘されても、具体 的な生活指導を受けるわけでもなく、「イエローカード」を渡されたまま、立 ち往生していた。これでは生活習慣病の増加は止まらず、医療費は膨らみ、 国民骨保険制度は間違いなくパンクする。対症療法的に、現役並みの所得が ある高齢者の自己負担は3割に引き上げられたが、このままでは自己負担率 6割も冗談ではなくなるだろう。
そこで、国が本腰を入れて打ち出したのが、メタポリックシンドローム(内 臓脂肪症候群)に着日した「特定健診・特定保健指導」だ。2008年度医療制度 改革の核である。
これにより企業などの健康保険組合では、40〜74歳の加入者の“メタボ” チェックを行い、イエローカードの御仁に対しては、医師や保健師による保 健指導の実施が義務づけられる。おまけに指導の成果が上がったかどうかの 評価が行われ、2012年度までに10%以上の改善達成率をクリアしていなけ れば、その後の拠出金額に影響するという。罰則付きだから、真剣味も違っ てくる。となると、成果を出せない怠慢な加入者は、昇進に響くか?
いずれにせよ、予防に重きを置くこの制度改革によって、健康機器や健康 食品産業は商機を逃すまいと狙っている。いいカモにならぬ注意も大切だ。

[出典:日経ビジネス、2007/09/10号、後藤典子=NPO日本サブノメント協会代表理事]

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