【食べ物の“力”を見直す】

サプリメントを「機能性食品」と呼ぶことがある。この言葉をよく考えてみ ると、食べ物には体の構造や機能に影響を及ぼす様々な“力”があるという ことに気づく。中国にある「医食同源」の考え方もしかり。古くには、正しい 食事を取って病気を防いだり、治したりすることを仕事とする、「食医」とい う職もあった。実際、食べ物には薬効の強いものもあり、「薬膳」はこれらを うまく活用したものだ。
日常でも、私たちは知らず知らずのうちに食べ物の持つ機能性の恩恵に浴 している。例えば、冷や奴に鰹節を添えるのには意味がある。豆腐は植物性 たんばく質の供給源として好ましい食品だが、リジンとメチオニンという必 須アミノ酸が不足している。一方、鰹節には双方が多く含まれている。ある いは、刺し身につきもののワサビやシソの実は、その殺菌作用や消化を助け る働きが、生ものにはうってつけだ。いずれも先人の知恵である。
こうした知恵に科学的な裏づけが追いつくようになって、今度はその機能 性を意識的に役立てようという健康志向が広まってきた。加工食品としての サプリメントもその一環だ。
例えば、カリウムはナトリウムを尿へ排泄する働きがあるため、昆布や干 し柿、トマトジュースなど、カリウムを含む食品は血圧を下げる力がある。 また魚の脂肪に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)や、イモや海藻、キ ノコ類に多い食物繊維などはコレステロール値を下げる力がある。こうした 知識は、「機能性食品」を活用するための基礎として役立つ。

[出典:日経ビジネス、2007/08/06-13号、後藤典子=NPO日本サブノメント協会代表理事]

戻る