【糖尿病が気になる人に】

晩春から初夏にかけては、ソラ豆がおいしい季節だ。莢(さや)が天に向かうこと から、漢字では「空豆」と書く。また、蚕が繭を作る時期に実り、莢の形が繭 に似ていることから「蚕豆」とも書く。地域によって呼び名が異なるのも面白 い。唐豆(九州地方)、四月豆(四国地方)、大和豆(近畿地方)のほか、五月 豆(東海地方)、雪割豆(房総)などと呼ばれて親しまれている。
ソラ豆はマメ科に属する1〜2年草本で、原産地は北アフリカ周辺という 説が有力だ。ギリシャやエジプトでは4000年前から栽培されていたと言わ れる。わが国へは江戸時代の初期に、中国を経て渡来したと見られている。
ソラ豆の主な成分は、筋肉や血液などを作るたんばく質と、体や脳のエネ ルギー源となる炭水化物だ。そのほか、脂肪やビタミン、ミネラルなども 含まれている。ビタミンの中でも、疲労物質を分解するB1と、細胞の再生 や成長を促すB2を多く含む。脂肪を構成する成分の1つレシチンは、ビタ ミンB2の助けを借りて、血液中のコレステロールの酸化を防ぎ、高脂血症 や動脈硬化を予防する。
また、食物繊維も豊富で、その中に含まれるペクチンには空腹感を抑える 効果がある。さらに血糖値の上昇を防ぐため、ダイエット中の人や糖尿病及 びその予備軍の人にも適している。
ソラ豆は、タラコとの食べ合わせがお勧めだ。タラコは脳の働きを活発に するアミノ酸のチロシンを豊富に含む。脳の情報伝達物質の原料にもなる ソラ豆のレシチンとの相乗作用で、老化予防効果が高まると考えられる。

[出典:日経ビジネス、2007/05/07号、白鳥早奈美=栄養学博士]

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