【めでたい魚で疲労回復】

新年度を迎える4月は、慶事も多い時期である。お祝いの席に欠かせない 食材と言えば、「めでたい」にかけたタイだろう。タイは古くから日本人に 食されてきた魚で、江戸時代には勇壮な姿と縁起物とされる赤色の身が武士 たちに好まれ、「人は武士、柱は櫓の木、魚は鯛」などと呼ばれていた。
タイはスズキ目タイ科の海産硬骨魚で、一般的にタイと言う場合は、マダ イを指す。タイと名のつく魚は数百種に及ぶが、分類上タイ科に属するもの は十数種ほどにすぎない。キンメダイやハマダイなどはタイ科ではない。
天然のタイは鮮やかなピンク色をしているが、浅瀬で養殖されるタイは、 日焼けによりやや黒ずんで見える。産卵を控えたこの時期の天然マダイは、 脂がよく乗って美味である。また、より鮮やかになる身の色にちなんで、 「桜ダイ」と呼ばれることもある。
タイは低脂肪、高たんばく質で消化吸収に優れている。ビタミンB群やミ ネラルがバランスよく含まれているため、疲労回復と体力増強に有効だ。ア ミノ酸のタウリンも豊富なので、肝機能が気になる人にもお勧めしたい。
いわゆる「タイのお頭」には、過酸化脂質の生成を抑えて、動脈硬化や脳 卒中、老化を予防するビタミンB2が多く含まれている。さらに、目玉の付 近に含まれるムコ多糖類には、骨を丈夫にし、肌を整える作用がある。
タイは刺し身や塩焼き、天ぷら、吸い物、お茶漬けなど、様々な食べ方を 楽しめる。塩分過多が気になる人は生のまま柑橘類などを絞って、さっぱ り薄味で頂くといいだろう。

[出典:日経ビジネス、2007/04/09号、白鳥 早奈美=栄養学博士]

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