【オプション次第で安く効率検診

よく知られているように、日本人の死因のトップは、「ガン」「心疾患」「脳 血管障害」などのいわゆる生活習慣病だ。これらの病気は長い年月をかけて 徐々に進行するので、目立った症状が表れた時には既に重症化していたり、 治療が難しくなっていることが少なくない。それを防ぐには、まだ自 覚症状がないうちに異常を発見し治療することが重要だ。
最近、注目されているメタポリックシンドローム(内臓脂肪の 蓄積に高血圧などが重なり動脈硬化の危険因子が集積した状 態)についても、早期発見・治療が大切なことは言うまでもない。
そのためには定期健診が欠かせないが、それだけでは発見できない症状 もあるので、できれば人間ドックを受けることが望まし い。定期健診では血液などで体の状態を調べるのが中心になるが、人間ドッ クでは特定の臓器の内部を直接調べるなど、詳しい検査が可能だ。
人間ドックと一口に言っても、病院によって多種多様なコースがあり、ど れにすべきか迷う人もいるかもしれない。最終的には、検査内容や料金、受 診にかかる時間などを比較して判断することになるが、まずはインターネッ トなどで、人間ドックを行っている近所の病院をピックアップして内容を調 べてみよう。
人間ドックを選ぶポイント
1検査項目、料金、受診に必要な時間、事後のフォロー内容などを基に判断する
2 基本検査に、既往症や気になる部分のオプション検査を追加する。脳ドックや心臓ドック、各種のガンドックなど普段受けられない検査を重点的に受けてもいい
3 健康保険組合から補助が出る場合は、事前に条件を確認する
4 時間がない人は、土・日曜日に受診できる病院や自宅健診キットも検討する
一般的に次のようなコースがある。
@じっくり時間をかけて多くの検査をしたい人のための1泊2日コース
A時間はあまりないが充実した検査を希望する人のための日帰りコース
B項目を絞って効率的に受診したい人のための半日コース
これらのコースは、血液検査や尿検査・心電図などの基本的な検査をセッ トにしたものに各種のオプションがつけ加えられることが多く、オプション の数が増えるほど料金が上がる。
基本セットの内容は病院によって異なるが、同じ料金なら多くの検査が入 っている方がお得感がある。ある病院では、胃カメラや腹部エコー、頭部・ 胸部CT(コンピューター断層撮影装置)スキャン、CTによる内臓脂肪測 定、血管年齢測定までを基本セットに含めて、料金は5万円程度だ。たくさ んのオプションが含まれる@のコースの場合、病院にもよるが費用は10万 円から20万円程度かかる。
オプションの選び方は、普段から気になっている部分や、遺伝病を中心に するといいだろう。ガンドック、心臓ドック、脳ドックなど特定の病気を垂 点的に検査したり、乳ガンや子宮ガンなど婦人科系のドックもある。
変わったところでは、脳の認知機能やホルモンバランスなど、加齢に伴い 問題が出てくる項目を重点的に検査するアンチエイジングドック(抗加齢ド ック)もある。脳など特定の部位に絞って徹底的に検査したい場合は、 最初から専門病院を選ぶのもいい。
また、人間ドックを受けた後のフォローにも注目したい。検診結果に問題があれば、 同じ病院で専門医による治療が受けられるのか、あるいは食事や生活 の改善指導を継続的に受けられるのかをチェックしよう。
人間ドックは一度受けたら終わりではなく、定期的に受ける のが理想的だ。若いうちは数年に1度でも、40〜50代になれば毎年、 誕生日など特定の日を人間ドックの日と決めて受診したい。平日はどうして も時間が取れない人は、土日に受診できる病院もあるし、郵送で検査が受け られる「自宅検診キット」を利用するのも1つの方法だ。
人間ドックは健康保険の対象外なので費用が高くつきがちだが、健康保険 組合や市区町村から数千円から数万円程度の補助が受けられることがある。 その場合は指定された病院に事前に申し込む必要があることが多いので、あ らかじめ確認しよう。

[出典:日経ビジネス、2007/04/02号、本田桂子=行政書士・ファイナンシャルプランナーCFP)]

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