【胃腸を整える春野菜】

春になるとみずみずしいセロリ(セルリー)が店頭に並ぶ。セロリはセリ 科の1〜2年草で、パセリやミツバ、ニンジンなどと同類だ。原産地は地中 海沿岸から中近東にかけてと言われており、古代文学の『オデュッセイア』 には、セロリが薬草として用いられていたことが記されている。
日本へは文禄・慶長の役(1592〜98年)で朝鮮に出兵した加藤清正が、中 国から現地に伝わっていたセロリを持ち帰ったのが最初とされている。人々 はこれを「清正人参」と呼んだという。江戸時代にはオランダ船が西洋種を伝 えたことで、「オランダミツバ」という和名がつけられた。
セロリはカロテンをはじめとするビタミンやミネラル類を多く含むため、 疲労を回復させる効果がある。食物繊維も豊富なので、胃腸の働きを活発に し整える。
また、セロリ特有の香りはセダノリツドとセネリンという化合物によるも ので、解毒作用を持つグルタチオンの活性を促す。種子から製する香辛料の セロリシードは、リモネンという精油成分を含んでおり、化学物質が誘発す るガンを抑制する効果がある。
セロリは生で食すとシャキシャキとした歯ざわりが楽しめるが、独特の香 りが苦手という人は、加熟したり、甘みのあるフルーツなどと一緒にジュー スにすると、香りが和らぐ。
このセロリの食べ合わせには、カルシウムを多く含む干した桜えびをお勧 めしたい。セロリの食物繊維はカルシウムの排泄を促すので、それを補うこ とができるからだ。
      
[出典:日経ビジネス、2007/03/12号、白鳥早奈美=栄養学博士]

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