【耳で心臓病を防ぐ】

米シカゴ大学のウイリアム・エリオット元助教授が男女108人を8年間調査して、 耳たぶにシワのある人の心臓病での死亡率を調べたところ、耳たぶにシワのない人 の3倍にも上った。
耳たぶには動脈の毛細血管が多数あり、心筋梗塞が起きるほど動脈硬化が 進むと、耳たぶの動脈硬化も進む。そのため、心臓病を起こすような人は、 耳たぶの血流も減少していて、栄養不足で耳たぶにシワができるという。
耳たぶのシワは心筋梗塞を患っているロシアのボリス・エリツィン元大統 領にも見られたことから、心臓病のサインとして注目された。ならば、つい でに耳で動脈硬化を予防してはどうか。動脈硬化の重要な危険因子、肥満 によく効くツボが耳にあるのだ。
かつて耳のツボによる痩身法が米国で発表され、ブームになった。日本で も岡山大学医学部の倉林譲助教授が、114人の「胃点」という耳のツボを刺 激した。すると、平均47.7日間の治療日数で70人の体重が減少した。倉 林助教授は動物実験でそのメカニズムを調べ、耳のツボを刺激すると脳の食 欲中枢が刺激され、食欲にブレーキがかかり、ダイエット効果を生むと説明 している。
耳の穴の上に横向きに帯のように突起した部分がある。この帯を耳の穴と は反対側にたどっていくと、隆起が消えかかる部分がある。そこが肥満に効 く胃点だ。食事の前に胃点を指先で、少し痛いと感じるくらいに6回ほど強 く押す。これを両耳に行う。さらに間食などもやめると、肥満の予防に役立 ち、動脈硬化の危険も減らせる。

[出典:日経ビジネス、2007/02/26号、堀田宗路=医学ジャーナリスト]

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