【原因が特定できない腰痛を改善】

腰痛人口は全国で1000万人にも上ると言われている。腰痛の原因となる病気には、腰椎椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症、骨租髭症などがある。骨の腫癖(しこり)や内臓の病気、鬱病などが原因となることもある。
ところが、]線やMRI(磁気共鳴画像装置)検査で異常がない、あるいは手術をしても腰痛が治らないという患者も多い。原因が特定できないまま、神経の圧迫や骨の老化によるものと言われて、困った多くの患者は民間療法に救いを求めたりしているようだ。逆に、画像診断でヘルニアの狭窄が出ていても、痛みが全くない人もおり、] 線やMRIで見られる変化と痛みの原因は、必ずしも一致しないという事実がある。
この矛盾に注目し、整形外科の一分野として生まれたのが、AKA(関節運動学的アプローチ)−博田法だ。AKA−博田法は、関節の遊びや滑り、回転、回旋といった関節機能の異常を、手技で正常に戻す治療法である。腰のほか肩や膝などの痛みの7〜8割はこの関節機能異常が原因となっている。関節機能異常が起きると、関連する筋肉が異常収縮を起こし、痛み、凝り、突っ張り、痔れなどが表れる。
AKA一博田法が最も重視しているのが、仙腸関節である。仙腸関節は骨盤の中で腸骨と仙骨をつなぐ関節で、体重を支えているので負担がかかりやすい。関節内部の可動範囲が2〜3mmと非常に少ないため、従来は痛みの原因とは考えられていなかった。しかし、ガンや内臓疾患に由来するもの以外の腰痛の9割は、仙腸関節の機能異常と言っても過言ではない。
腰痛が治りにくい人や手術を勧められている人は、まずこのAKA一博田法を試すといい。症状が消失または軽減すれば、関節の機能異常と言える。AKA一博田法博田法を受けても改善しない時には、ほかの病気が考えられ、精密検査が必要になる。
仙腸関節の治療は、わずかな遊びしかない関節の微妙な動きを、手のひらや指先で感じ取りながら正常にしていくもので、熟達した技術を要する。実際には、まず体の前後屈、側屈状態を見たうえで、ベッドに横になってもらい、仙腸関節を軽く押したり、持ち上げたりする。痛みはほとんど感じず、治療に要する時間は約10分。診察を 含めても20分程度で済む。治療期間は、1度で痛みが取れる場合と、2〜4週間おきに数回の治療を要する場合など、状態によって異なる。
日本関節運動学的アプローチ(AKA)医学会が認定する指導医・専門医は、全国に約100人。同学会のホームページ(下記参照)で治療を行う施設が調べられる。今のところは保険が適用されていないため、治療費は各施設に問い合わせてほしい。(談話まとめ:杉元順子=医療ジャーナリスト)

[出典:日経ビジネス、2007/01/01号、住田憲是=望クリニック整形外科院長]

参考:(学会ホームページアドレス)
http://www.aka-japan.gr.jp/

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