【トランス脂肪酸】

昨年後半、「トランス脂肪酸」という物質が、特に、アメリカの方で大きな話題となっています。
これは、米国シカゴ近郊に住む65歳以上の住民8500人を、長期間追跡した「CHAP」(Chicago Health and Aging Projects)研究の結果で、米国神経学会が発行する学術誌、Neurology誌2004年5月11日号に、「トランス脂肪酸の害」として発表されたものです。
その主なものは次の三つです。
@悪玉コレステロールを増加させ、心臓病のリスクが高まる。
A喘息(ぜんそく)、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎を引き起こす不安がある。
Bトランス脂肪酸をたくさんとるお年寄りはボケやすい。

「東奥日報、2006/12/06ニュース百科」では、次のように報じています。
マーガリンなどの加工油脂に含まれる脂肪酸の一種。油を加熱する過程や固形化処理の際に人工的に生成される。大量に摂取すると、血中の悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らすといわれ、動脈硬化など心臓疾患のリスクを高めるとの指摘がある。食品安全委員会(注参照)によると、1日当たりの平均摂取量は日本では約1・6グラム。(共同)

日本ではあまり問題にされていないようですが、アメリカではかなり問題視しているらしく、ニューヨーク市は12月5日、心筋梗塞(こうそく)や肥満との関連が指摘されている「トランス脂肪酸」を含む調理油や食材に関して、市内のすべてのレストランやファストフード店で原則的に使用禁止にすることを決定し、保健・衛生関連の条例改正をして08年には実施を義務づけました。

この使用禁止を受け、ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)は今年4月までに代替油に切り替えることを発表しました。日本人の摂取量は米国人の4分の1程度であるため、日本では規制の対象になっていませんが、日本KFCでは昨年10月から全国約1150店舗でトランス脂肪酸の含有量を半減させた調理油に切り替えました。
KFCは「日本で独自開発した調理油です。含有量をゼロにする油の研究を進めており、政府の取り組みをみながら、できるだけ前倒しで対応したい」と話しています。
また、ハンバーガーの米ウェンディーズは昨年6月、トランス脂肪酸の含有量ゼロに近づける方針を打ち出し、同8月にはほとんど含まれない油に切り替えました。
日本ウェンディーズでは「米国と共同歩調で昨年10月から全79店舗で油を替えた」といいます。ミスタードーナツも「現在は開業当時からの油だ。近い将来、トランス脂肪酸ゼロの油に替える予定」としています。
一方、日本マクドナルドは「日本人の摂取量は少ないので健康上問題になるとは考えていない」として代替油の研究はしていないといっています。
厚生労働省では「バランスよく食事をするかどうかの問題。今のところ、商品にトランス脂肪酸の成分表示をしたり、外食産業に使用規制をしたりすることはない。ニューヨーク市の行動力は素晴らしいが、すぐに日本に当てはまるとは考えていない」としています。

さらに、米コーヒーチェーン大手スターバックスは今週から、米国内の約半数の店舗で、パンなどの食品をトランス脂肪酸を含まないものに切り替えると、同社のスポークスマンが2日に明らかにしました。

いつものことながら、アメリカと日本では温度差が大きく、将来、問題にならなければいいのですが・・・・・。

(注)食品安全委員会 (東奥日報、2006/12/08、ニュース百科より)
牛海綿状脳症(BSE)の発生などを契機に、消費者の「食」に対する信頼回復を狙って2003年7月に設立された内閣府の独立機関。7人の委員と16の専門調査会で構成される。
食品が健康に及ぼす悪影響を科学的に調べる「リスク評価」が主な役割。BSE問題を担当するプリオン専門調査会は北米産牛肉の輸入再開を事実上容認する答申案をまとめ、一般からの意見募集などを経て、委員会が8日に厚生労働、農水両省に答申した。
ただ調査会のメンバーからは、両省からの諮問の仕方や米国での輸入条件順守の実効性について疑問の声も聞かれ、委員会の運営の在り方に課題を残した。

(出典:ヤフーニュース、抜粋)

戻る