【疲れ目に効くツボ】

1810(文化7)年3月末、土砂降りの雨の翌朝、江戸城蓮池御金蔵の二番蔵が崩されているのが発見された。誰かが御金蔵の壁土を崩して中に進入し、一朱金4000枚という大量の金貨を盗んだのだ。一朱金を選んだのは、使いやすさを考えたのだろう。あまりにも見事な手口だった。直ちに江戸中に捜査網が引かれた。怪しい者は番所で厳しい追及を受けたが、犯人の行方は全くつかめなかった。
犯人は一体どこへ逃げたのか。実はどこにも逃げていなかった。犯人は逃げようとして、江戸城の深い堀に落ち、金貨の重さでそのまま沈んでしまったのだ。事件から8日後、桜田門近くのお堀で男の水死体が上がった。37〜38歳くらいの職人風の男で、脚半を着け、動きやすいように沓足袋(くつたび)を履いていた。4000枚の一朱金も一緒に見つかった。
恐らく、犯人は疲れ目のために目算が狂い、堀に落ちてしまったのだろう。極度の緊張の下では、眼精疲労を起こして視力も低下しやすい。この時、犯人がツボの知識を持っていたら、完全犯罪が成り立っていたかもしれない。顔には攅竹(さんちく)、晴明(せいめい)、太陽という疲れ目の特効のツボがあるからだ。
攅竹(さんちく)は眉頭、晴明(せいめい)は目頭の鼻側、太陽はこめかみにある。これらのツボを親指、または人差し指でグイグイと少し強めに押す。全部で2〜3分も押していると、目の疲れがスッと軽くなってくる。ツボを押す際は、必ず目を閉じて行うこと。頑固な疲れ目がある人は一度眼科で検査を受けてから、これを試すことをお勧めする。

(出典:日経ビジネス、2003/04/07号、堀田宗路=医学ジャーナリスト)

参考:
具体的なツボの場所を知りたい方は、下記アドレスをアクセスしてみてください。
http://www.earth-eco.net/tubo/tukareme.htm

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