【忙人の心身摂養法(東洋医学)】

さて古人の飲食に関する話を聞いてみると、実に興味津々たるものがあります。物を食う時には自然の色取りを考えて、色様々なものを食えということです。後になって考えてみるとなるほどそうだと感心する。色彩というものは、みな我々の内臓器官と関係がある。
およそ我々の生理健康を養う上において、一番根本になるものは腎臓であります。腎臓の働き、腎臓の機能というものは我々の生命の源泉であります。それから精神作用、記憶力に関係あるのは脾臓の作用である。腎臓の表は膀胱である。脾臓の表は胃である。みなこれらは陰陽の関係になっている。
それから活力ですが、活力気迫に関係があるのは肝臓です。栄養等はあればある程いいが、なくてもいい。大事なのは肝臓です。その肝臓の機能が活力、気迫元気をつかさどる。だから胆嚢と相対して肝胆という言葉がある。天下のために苦心するすることを天下にために肝胆を砕くといいます。東洋医学上の言葉です。腰は要ですから、物事の大事なところを肝腎要という。肝臓と腎臓と腰で、つまり医学上の述語です。これを日常茶飯事に使いこなしている。
その次に大事なものは心臓小腸。心臓が悪くなると小腸が悪くなる。小腸が悪くなると心臓が悪くなる。表裏である。それから肺と大腸。肝胆を悪くすると腎臓を悪くする。またすぐ心臓小腸が悪くなり、肺が悪くなると大腸が悪くなる。肺病患者が腸を害うと直に死にます。 
(続きは次回)

(出典:「経世瑣言」(けいせいさげん)安岡正篤著)

参考:
「瑣言」ちょっとした言葉。取るに足りない言葉、または文章。
「忙人」忙しい人。 「摂養」体を大切にすること。養生。

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