【頭のツボ押して物忘れ防ぐ】

 江戸時代にこんな笑い話がある。
「あのお客さんの荷物には高価な品物がいっぱいつまっている。何とか忘れていかせる方法はないかしら?」。宿屋の女房が耳打ちした。
「だったらミョウガを食べさせるといい」と亭主が言った。ミョウガは物忘れをさせる食物と信じられていたのだ。
その晩、女房は汁にも菜にもミョウガをたくさん入れて、客にふるまった。ところが、翌朝、客が出立した後に部屋を探しても何一つ忘れ物はなかった。
「おまえさん、ミョウガは効かなかったようだよ」「そんなことはない。よく効いた。宿賃を忘れていってしまった」。
さて、物忘れを防ぐツボがあるので紹介しよう。目尻と眉尻を直線で結ぶ。その直線の中央から少し耳寄りのところにくぼみがある。いわゆるこめかみと呼ばれるところだ。そのこめかみから斜め上に親指の横幅分ほど行ったところにあるのがそのツボだ。これは「頭聶(ずじょう)と呼ばれる。
ツボには、古くからあるツボ(正穴)以外に、新しく発見されたツボもある。頭聶は中国で1970年に発行された『農村常見病予防治手冊』という健康手帳に紹介されている、比較的新しいツボである。このツボが物忘れを防ぐのにものすごく効果があるという。
両手の親指の腹を頭聶に当てて、「の」の字を描くように5分ほど押しもみする。1日2回か3回、暇を見つけてこれをすると、頭がスッキリとして記憶力が高まり物忘れを防ぐ。
ただし、このツボを押すのを忘れてしまったら効果はない。

(出典:日経ビジネス、2002/06/17号、堀田宗路=医学ジャーナリスト)

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