【10人の翁が教える長寿の秘訣】

古代中国の人たちは、生に対する執着と死に対する恐怖から不老長寿に憧れた。伝説にも不老長寿をかなえてくれる霊薬や仙薬がたくさんある。不老長寿を達成し、200歳や300歳でも若々しい仙人たちが存在したかのような話もたくさん伝えられている。そうした仙人たちは毎年1回重陽の節句(9月9日)の後に、聖なる山や天空に集まって、天地宇宙の森羅万象にわたって話し合うという。
有り難いことに、仙人達は時々こっそりと我々の前に現われて長生きのヒントを教えてくれる。
こんな有名な話もある。昔、旅人が海岸を歩いていると、遠くから10人ほどの男たちが近づいてきた。よく見ると、男たちはとっくに100歳を超えている老人たちだった。だが驚くほど若々しく、にぎやかに哄笑しながら、すごいスピードで歩いてきた。どうやら仙人らしい。
旅人は老人たちの前でひざまづいて、教えを乞うた。
「どうすれば長寿を得られるのでしょうか」
1人ずつなぞの老人が答えた。
  「わしは酒と煙草はやらん」
  「わしは食後の散歩を欠かさない」
  「食は淡白にされるとよかろう」
  「車に乗らずに歩くことにしている」
  「自分のことは自分ですることだ」
  「軽い運動を毎日続けることかな」
  「新鮮な空気を吸うといい」
  「日光浴をして、わしは顔が真っ黒だ」
  「早寝早起きがいい」―― 。
そして、最後の老人が言った。
  「クヨクヨと心配するのはやめなさい」
まさにその通りではないだろうか。

(出典:日経ビジネス、2001/06/04号、堀田宗路=医学ジャーナリスト)

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