【戸籍に息づく「渡ナベ」18種】

国立国語研究所(東京都立川市)の「漢字情報データベース」。法務省の「戸籍統一文字」に含まれる「辺」を出してもらうと、パソコン画面に、渡辺の「辺」の異字体(下表)が並んだ。全部で18種類ある。
総務省の「住民基本台帳ネットワーク統一文字」では17種。さらに活字にできず、画像処理した字も少なくない。
78年に生まれたJIS(日本工業規格)漢字コードは、改正などを重ねて漢字は計1万50字入っている。だが、「辺」は3種しかない。
かって、日本文芸協会などが「ユニコードは漢字が足りない。日本の漢字を守れ」と批判したが、字数は増え続け、7万以上の漢字が入った。
それでも「辺」は8字(表、太枠内)だけ。行書や草書は書体差と見なされ、対象外だ。
規格からはみ出す戸籍文字の迷宮は、パソコンもカバーできない。
データベース作製を担当した早稲田大学の笹原宏之・助教授(41)が言った。
「文字は本来社会的な存在だ。人間が使いこなせる文字集合体でないと、存在しないと同じです」

(出典:朝日新聞「漢字とつきあう(6)」から抜粋、2007/02/02)


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