【龍は生き残れるか】

五番目の登場は『龍』(竜)です。
「龍」という字は、一般的には常用漢字の「竜」を使うことが多く、 身の回りから忘れ去られそうな字になりつつあります。
この「竜」の字は漢字の簡略化に伴うものではなく、古くから使われてきた漢字です。
古い漢字が、あたかも新しい漢字の様に思われかつ、使われるケースは珍しいと言えます。
身の回りで「龍」のつく物を探すのが難しくなりました。
むかし昔には、「龍」という字を書いた凧(たこ)が、大空に舞っていたんですが・・・。 今では見かけることはまずありません。
ニ、三十年前なら、「龍頭(りゅうず)」という言葉もありましたが、今は死語に近くなっています。 そう、腕時計のネジ巻きのことですね。
しかし、今の時計はほとんどクオーツ変わり、龍頭は時刻合わせのみの役目になってしまいました。
身近なものでもうひとつあります。それは「烏龍茶」です。
広辞苑では「烏龍茶」を次のように解説しています。

(ウーロンは「烏龍」の中国音。葉の仕上がりの色が烏のごとく黒く、形が龍の爪のごとく 曲がっているところから)中国茶の一種で、緑茶と紅茶の中間に位する半発酵茶。 福建省及び台湾などで生産する。生葉を天日でさらして葉の緑を発酵させ、炒釜(いりがま)で熱し 揉んで乾燥したもの。褐色で特殊な香気をもつ。

これだけで、なぜ「烏龍」なのか分かりますか。色は何となく理解しますが、 「形が龍の爪のごとく曲がっている」からというのですが、それだけではないように思います。
もともと「龍」という字の字義には、「えらい」とか「大きい」という意味があります。 事実、お茶を表わす言葉の中に「龍」が使われています。 つまり、爪の形も関係するのかもしれませんが、お茶をあらわす言葉の意味にある、「上等な」 ことを表わしていると思うのです。間違いない!

リュウガ・リョウガ(お茶の異名)
リュウチャ・リョウチャ(上等なお茶の名)
リュウホウダン・、リョウホウダン(最上等のお茶)

間違いないとは思いませんか。

龍という字も部首登録されていますが、龍を部首にもつ漢字は40字弱しかありません。 一番見かけるのは「・・・に襲われた」の「襲」という字です。「襲撃」もあります。 その次は「月も朧(おぼろ)に」「朧月(おぼろづき)」の「朧」。 差別用語ではないと思いますが、「聾唖教育」の「聾唖(ろうあ)」などがあります。
それでは「龍」のつく言葉と、四字熟語を挙げておきます。

リュウシュウ、リョウシュウ(たき、瀑布)
リュウスウ、リョウスウ(たけのこの異名、【龍孫】とも書く)
タツノオトシゴ(【海馬】カイバ、ウミウマとも書く、 海馬にはセイウチの意義あり)

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物事を立派に完成させるための最後の仕上げ
龍が行き虎が歩く。威儀荘重(そうちょう)なさま
物事の初めは盛んで、終わりが振るわないこと
すぐれた人の会合

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四字熟語の読みは、順番に「ガリョウテンセイ」(睛は晴ではありません)、「リュウコウコホ」、 「リュウトウダビ」、「リュウモンノユウ」です。



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